落語『五里五里芋』あらすじ3分解説|焼き芋の洒落を皮肉で返す小咄の魅力を紐解く

『五里五里芋』は、焼き芋の「八里半」「十三里」という洒落をふまえ、生焼けで堅い芋を「五里五里」と言い返す短い小咄系の落語です。

読み方は「ごりごりいも」です。表記は『五里五里芋』のほか、『五里五里いも』『五里五里』『ゴリゴリイモ』のように記されることもあります。

落語『五里五里芋』のあらすじを知りたい人は、まず「焼き芋をほめる洒落に対して、客がまずい芋の食感を同じ“里”の言葉遊びで切り返す噺」と押さえると分かりやすいでしょう。

この記事では、『五里五里芋』のあらすじ、登場人物、サゲの意味、「八里半」「十三里」との関係、初心者が楽しむための聴きどころを3分で整理します。

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落語『五里五里芋』とは?焼き芋の洒落をひっくり返す小咄

『五里五里芋』は、長い人情噺や大きな事件のある演目ではありません。焼き芋をめぐる一口話、小咄に近い噺です。

小咄とは、短いやり取りの中で洒落や機転を効かせて笑わせる話のことです。落語のマクラや、長い噺の中の小さな笑いとして使われることもあります。

『五里五里芋』の中心にあるのは、焼き芋の呼び名をめぐる言葉遊びです。昔、焼き芋は「栗に近い味」という意味で「八里半」、また「栗よりうまい」という洒落で「十三里」と呼ばれることがありました。

そこへ、客が実際に食べてみたら生焼けで堅い。そこで「八里半」でも「十三里」でもなく、「五里五里」と言い返します。「ごりごり」と堅い食感と、「五里五里」という距離の言葉を重ねた小さなサゲが、この噺の面白さです。

(表は横にスクロールしてご覧ください)
項目 内容
演目名 五里五里芋
読み方 ごりごりいも
別表記 五里五里いも、五里五里、ゴリゴリイモなど。資料によって表記が揺れることがあります。
分類 小咄・一口話・洒落落ち・食べ物の噺
主な題材 焼き芋、八里半、十三里、五里五里、栗と芋の言葉遊び
主な登場人物 焼き芋屋、芋を買う客。型によって語りの形は変わります。
聴きどころ 「里」の数を使った洒落、生焼け芋の食感を言葉で返す切れ味

落語『五里五里芋』のあらすじを3分で解説【結末ネタバレあり】

『五里五里芋』は、焼き芋をほめる「八里半」「十三里」という洒落を、客が「五里五里」と皮肉にひっくり返す噺です。

焼き芋屋が、店先で芋を売っています。焼き芋には「八里半」や「十三里」という洒落た呼び名があります。

「八里半」は、栗を「九里」と見立て、栗には少し足りないから八里半という洒落です。「十三里」は、「栗よりうまい」を「九里より四里うまい」と言い換え、九里と四里を足した言葉です。

そこへ客が焼き芋を買って食べます。ところが、期待して口にした芋は、甘くほくほくしたものではありません。火の通りが悪く、堅くて、ごりごりしています。

焼き芋屋が、自分の芋を「八里半」や「十三里」と言いたげに得意になっていると、客は「八里半でも十三里でもない。五里五里だ」と返します。

ここで「五里五里」は、距離の単位である「里」と、芋の堅い食感を表す「ごりごり」を掛けています。生焼けでごりごりした芋だから「五里五里芋」というわけです。

『五里五里芋』の起承転結

流れ 内容 見どころ
焼き芋屋が、「八里半」「十三里」という洒落た呼び名で芋を売っています。 焼き芋を栗にたとえる、昔の商売上の言葉遊びが出発点です。
客が焼き芋を買い、うまいものだと思って口にします。 ほめ言葉への期待があるから、後の落差が効きます。
食べてみると、芋は生焼けで堅く、ごりごりしています。 甘くほくほくした焼き芋との落差が笑いの準備になります。
客が「八里半でも十三里でもない。五里五里だ」と切り返します。 「ごりごり」と「五里五里」が重なり、短い一言で落ちます。

『五里五里芋』の登場人物は、焼き芋屋と客の一瞬の勝負で見る

『五里五里芋』は登場人物の多い噺ではありません。中心は、焼き芋屋と客のやり取りです。

焼き芋屋は、自分の芋をうまそうに見せるため、洒落た呼び名を使います。昔の商人は、看板や呼び声にも言葉遊びを入れ、通行人の興味を引こうとしました。

客は、その洒落を知っている側の人物です。知らずにただ文句を言うのではなく、相手の洒落を受けたうえで、さらに別の洒落にして返します。

つまり『五里五里芋』は、単に「まずい芋を買った」という話ではありません。商売上手な焼き芋屋の言葉に、客が機転で切り返す小さな言葉の勝負なのです。

登場人物 役割 聴くときの注目点
焼き芋屋 焼き芋をしゃれた呼び名で売る人物 「八里半」「十三里」という商売上の洒落が出発点になります。
芋を買い、食べた感想を洒落で返す人物 文句をただ怒鳴るのではなく、相手の言葉遊びをさらにひねります。
芋そのもの 噺の中心になる食べ物 甘いはずの焼き芋が、実はごりごりしている落差が笑いになります。

『五里五里芋』のサゲは「ごりごり」と「五里五里」を掛けた洒落

『五里五里芋』のサゲは、芋の食感を表す「ごりごり」と、距離の単位の「五里五里」を掛けたところにあります。

「八里半」は、栗に近い味という意味の洒落です。「十三里」は、栗よりうまいという意味の洒落として知られます。どちらも焼き芋をほめる言葉です。

ところが、客が食べた芋はうまくありません。生焼けで堅く、口の中でごりごりします。

そこで客は、焼き芋屋の洒落を逆手に取ります。「八里半」でも「十三里」でもない。これは「五里五里」だ、と言うわけです。

このサゲは、説明されると単純ですが、実際の高座では間が大切です。客が芋を噛んで、期待が外れた表情を見せてから「五里五里」と言うと、食感と言葉がぴたりと重なります。

「八里半」「十三里」を知ると『五里五里芋』が分かりやすい

『五里五里芋』を楽しむには、焼き芋の別名として使われた「八里半」と「十三里」を知っておくと便利です。

「八里半」は、栗の味に近いという意味です。栗を九里に見立て、九里には少し届かないので八里半。焼き芋を栗にたとえた洒落です。

「十三里」は、「栗よりうまい」を「九里より四里うまい」と読み替え、九里と四里を足して十三里とする洒落です。焼き芋をほめる呼び名として知られます。

また「十三里」には、江戸から川越までの距離にちなむ説明もあります。『五里五里芋』では、こうした「里」を使った焼き芋の呼び名を前提に、まずい芋を「五里五里」と切り返すところが笑いになります。

呼び名 意味 『五里五里芋』での役割
九里 栗に掛けた数字の洒落 焼き芋を栗と比べる言葉遊びの土台になります。
八里半 栗に近い、九里に少し足りないという意味 焼き芋をほめる看板・呼び名として使われます。
十三里 栗よりうまい、九里より四里うまいという洒落。川越との距離にちなむ説明もあります。 焼き芋をさらに持ち上げる呼び名です。
五里五里 ごりごりした食感と、五里を重ねた言葉遊び ほめ言葉をひっくり返し、生焼け芋を皮肉るサゲになります。

『五里五里芋』は長い物語ではなく、マクラにも使える小咄として味わう

『五里五里芋』は、登場人物が何人も出てきて大きな事件が起こる演目ではありません。むしろ、短い会話の中で笑わせる小咄として味わう噺です。

小咄は、落語のマクラに入ることもあります。マクラとは、本題に入る前に演者が話す導入部分のことです。季節の話、食べ物の話、言葉遊びなどを通して、客席を温めます。

焼き芋の話題は、秋冬のマクラにも向いています。そこに「八里半」「十三里」「五里五里」という洒落を重ねると、短いながらも昔の商売や言葉遊びの感覚が出ます。

そのため『五里五里芋』は、長編落語と同じように筋を追うより、たった一言で場面がひっくり返る小咄として見ると分かりやすくなります。

『五里五里芋』の面白さは、文句を洒落で返す軽口にある

『五里五里芋』の客は、まずい芋を食べて怒鳴るわけではありません。もちろん、内心では「これはひどい」と思っているはずです。

しかし、その不満をそのまま言うのではなく、焼き芋屋の洒落に合わせて返します。相手が「里」の洒落で売っているなら、こちらも「里」の洒落で文句を言う。この呼吸が小咄の味です。

落語では、正面から怒るより、少しひねって言い返す方が笑いになります。『五里五里芋』は、短い中にその軽口の楽しさが詰まっています。

また、焼き芋という身近な食べ物が題材なので、初心者にも場面が浮かびやすい噺です。熱々で甘いはずの芋をかじったら、思いがけず堅かった。その一瞬のがっかりが、サゲに変わります。

『五里五里芋』と芋が出る落語の違いを整理

落語には、芋が出てくる噺がいくつかあります。ただし、芋の使われ方は演目によって違います。

『芋俵』では、芋俵の中に人が入る泥棒噺として芋が使われます。芋そのものより、俵に入った人間をめぐる勘違いが中心です。

一方、『五里五里芋』では、芋の味や食感、そして呼び名が笑いになります。食べ物そのものの感触が、サゲの言葉と直結しているのです。

同じ芋の噺でも、『芋俵』は状況の笑い、『五里五里芋』は言葉の笑いと整理すると違いが分かりやすいでしょう。

演目・題材 芋の役割 『五里五里芋』との違い
五里五里芋 焼き芋の呼び名と食感がサゲになる 「ごりごり」と「五里五里」の洒落が中心です。
芋俵 泥棒が隠れる俵として使われる 状況の勘違いと体の滑稽さが中心です。
焼き芋のマクラ 季節感や食べ物の話題として使われる 本題の前に客席を温める小話として働くことがあります。

よくある疑問:『五里五里芋』を聴く前に知っておきたいこと

『五里五里芋』の読み方は何ですか?

「ごりごりいも」と読みます。「五里五里」と書いて「ごりごり」と読ませる、洒落の効いた題名です。

『五里五里芋』はどんな落語ですか?

焼き芋屋が「八里半」「十三里」という洒落た呼び名で芋を売りますが、客が食べると生焼けで堅い。そこで客が「五里五里だ」と切り返す、小咄系の落語です。

サゲの「五里五里」とはどういう意味ですか?

芋が生焼けで「ごりごり」していることと、距離の単位の「五里」を重ねた言葉遊びです。焼き芋をほめる「八里半」「十三里」を、まずい芋への皮肉にひっくり返しています。

「八里半」とは何ですか?

焼き芋を栗に近い味として表す洒落です。栗を九里に見立て、九里には少し届かないので八里半、という言葉遊びです。

「十三里」とは何ですか?

「栗よりうまい」を「九里より四里うまい」と読み替え、九里と四里を足して十三里とする洒落です。江戸から川越までの距離にちなむ説明もあります。

『五里五里芋』は長い噺ですか?

長い人情噺や滑稽噺ではなく、短い小咄として扱われることが多い噺です。音源や資料によっては、落語会の中で短く演じられる一席、またはマクラに近い形で語られることがあります。

桂文我の関連資料にありますか?

桂文我の上方落語関連資料に『五里五里芋』の演目名が見えます。珍しい小咄・上方落語の一つとして、復元的に紹介されることがある演目です。

初心者はどこに注目して聴けばよいですか?

「八里半」「十三里」という焼き芋のほめ言葉を知ったうえで、最後に客がどう言い返すかに注目してください。たった一言で、うまいはずの芋がまずい芋へひっくり返るところが見どころです。

『五里五里芋』は、文章で読むととても短い噺です。けれど音で聴くと、焼き芋屋の得意げな売り声、客が芋をかじる間、そして「五里五里」と返す一瞬の呼吸が笑いになります。

長編落語とは違う、小咄ならではの切れ味を味わいたい人は、音源や高座で聴くと楽しめます。

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まとめ:『五里五里芋』は、焼き芋の洒落を皮肉で返す小咄

『五里五里芋』は、焼き芋をほめる「八里半」「十三里」という洒落をふまえ、生焼けでごりごりした芋を「五里五里」と言い返す小咄系の落語です。大きな事件ではなく、短い言葉の切り返しで笑わせるところに魅力があります。

  • 『五里五里芋』は「ごりごりいも」と読む小咄系の落語です。
  • 『五里五里いも』『五里五里』『ゴリゴリイモ』など、表記に揺れがあります。
  • 焼き芋を「八里半」「十三里」と呼ぶ言葉遊びが前提になります。
  • 「八里半」は栗に近い味、「十三里」は栗よりうまいという洒落です。
  • 「十三里」には、江戸から川越までの距離にちなむ説明もあります。
  • 客が食べた芋は生焼けで堅く、ごりごりしていました。
  • サゲは「ごりごり」と「五里五里」を掛けた言葉遊びです。
  • 聴くときは、焼き芋屋のほめ言葉を、客がどう皮肉に変えるかに注目すると楽しめます。

『五里五里芋』は、短いながらも、食べ物、商売、洒落、皮肉がきれいにまとまった一席です。昔の人が、まずいものへの不満さえも言葉遊びに変えて笑った感覚が伝わってきます。

参考文献

  • 桂文我『上方落語全集』関連資料
  • 上方落語『五里五里芋』関連の演目解説資料
  • 焼き芋の別名「八里半」「十三里」に関する解説資料
  • 古典落語・小咄・軽口に関する資料

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