目が覚めたら、なぜか笑っていた。けれど「どんな夢?」と聞かれても、本人は何も覚えていない――この時点でもう詰みです。
『天狗裁き』のあらすじとサゲ(オチ)の意味が知りたい方へ。本記事では3分で物語の全体像と、「夢なんか見てない」が、なぜ“全員のスイッチ”を押してしまうのかを整理します。
この噺の芯は天狗の怖さではなく、言えないものほど知りたくなる好奇心と、引っ込みがつかない意地が作る不条理の連鎖にあります。読み終えた頃には、「なぜ奉行まで夢を聞きたがるのか」を筋道立てて語れるようになります。
『天狗裁き』のあらすじを3分解説【結末ネタバレあり】
まずは骨格を最短で頭に入れましょう。『天狗裁き』は、夢の内容を思い出せない男が、女房から始まり、近所、家主、奉行、最後は天狗にまで「夢を話せ」と迫られる噺です。
ストーリーのタイムライン
- 【起】女房に起こされ「どんな夢?」と詰められる
昼寝していた男が、にやにやしていた(寝言を言っていた)ことで女房が不審に思う。ところが本人は「夢なんか見てない」「覚えてない」と言い張ってしまう。 - 【承】近所が仲裁に入るが、結局“夢”を聞きたがる
夫婦喧嘩を止めに来た近所の者も、話を聞くうちに「で、どんな夢だ?」と興味が出る。男はますます引っ込みがつかない。 - 【転】家主→奉行所へ、権威まで“夢”に釣られる
家主が出てきて収めるはずが、家主まで夢の中身を知りたがる。揉め事は奉行所へ。奉行は裁く側なのに、最後は自分も夢を聞きたくなり、男は追い詰められる。 - 【結】天狗が現れて追い込み、サゲで最初に戻る
奉行所の外側、さらに“人外”の天狗まで夢を聞きたがる。答えられず追い詰められたところで目が覚めるが、目覚めた直後にまた「どんな夢見た?」と聞かれてストンと落ちる。

『天狗裁き』の登場人物と基本情報
登場人物
- 男:夢を覚えていない(または見ていないと言い張る)せいで、全員の標的になる。
- 女房:最初の追及者。ここから連鎖が始まる。
- 近所・家主:仲裁のはずが、いつの間にか夢を聞きたがる側へ回る。
- 奉行:裁く側なのに好奇心に負けてしまう。
- 天狗:最後の追い込み役。人外まで夢を聞きたがる不条理を完成させる。
基本情報
- ジャンル:滑稽噺(不条理・連鎖・廻りオチ)
- 見どころ:仲裁が増えるほど状況が悪化する“好奇心の伝染”
- サゲの型:最初の状態に戻る回帰型(廻りオチ)
30秒まとめ
夢の内容を言えない男が、女房→近所→家主→奉行→天狗まで「夢を話せ」と詰められる。最後は目が覚めても同じ質問に戻り、円を描くように落ちる。
なぜ地獄になる?「言えない」が好奇心を最大化する
この噺の怖さ(可笑しさ)は、男が何か悪いことをしたわけではないのに、言えないことで疑いが深まる点にあります。
「本当に見てないなら言えるだろ」「隠すから怪しい」――こうした言い分が連鎖し、仲裁に来た人ほど深く巻き込まれる。
夢の話は中身より、「言わせたい」空気が主役になります。
サゲ(オチ)の意味:救いがあるのに、また始まる
最後に目が覚めた瞬間だけは、すべてがリセットされる。ところが直後にまた「どんな夢見た?」と聞かれ、最初の揉め事へ回帰して落ちる。
この“戻り”があるから、噺全体が一つの輪になり、後味が軽くて強いオチになります。

飲み会で使える「粋な一言」
✍️ 三分で効く、粋な返しのコツ
【結論】:『天狗裁き』は天狗の噺じゃなくて、「夢を言えないだけで、全員が聞きたがって連鎖する“不条理の拡大”」が面白いんだよね。
まとめ:『天狗裁き』は「好奇心×意地×回帰オチ」で落ちる噺
- あらすじ:夢の内容を言えない男が、女房から天狗まで詰められる。
- 核心:仲裁が増えるほど、好奇心が伝染して状況が悪化する。
- サゲ:目が覚めても同じ質問に戻る“廻りオチ”でストンと落ちる。

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この記事を書いた人
三分で深まる落語の世界 編集部
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