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『抜け雀』あらすじを3分解説|オチ「親不孝」の意味と掛詞の仕組み

落語演目

「『抜け雀』は名作だから聴くべきだ」と聞いて興味を持ったものの、オチが難解そうで不安になっていませんか? あるいは一度聴いたけれど、最後の一言が腑に落ちずモヤモヤしているかもしれません。

『抜け雀』は、サゲ(オチ)の仕組みを知ると一気にクリアになる噺です。この記事では、3分であらすじを整理し、最後の「親不孝」がなぜ成立するのかを“構造”で解説します。


『抜け雀』あらすじを3分解説【ネタバレあり】

一文無しの絵師が描いた雀が絵から飛び出し、宿が大繁盛。そこへ現れた老人が「鳥籠」を描き足し、最後に絵師がその筆を見て“父”だと気づく――という不思議な人情噺です。

抜け雀 あらすじ タイムライン図解(衝立→繁盛→加筆→親不孝)

Step1:衝立の雀

小田原の宿屋に、一文無しの男が逗留。宿代が払えない代わりに、宿の衝立に「雀」を描いて去ります。

Step2:宿屋の大繁盛

翌朝、その絵から雀が抜け出して外で餌をついばみ、夕方になると絵に戻る。噂が広まり、宿は連日大繁盛します。

Step3:鳥籠(止まり木)の加筆

そこへ泊まりに来た老人が絵を見るなり「このままでは雀が死ぬ」と言い、絵の中に鳥籠(止まり木のある居場所)を描き足します。雀は籠で休み、元気に飛び続けるようになります。

Step4:正体の発覚

のちに絵師が戻り、鳥籠の筆致から「加筆したのは父(師)だ」と気づく。自分の未熟を悟り、父を追って旅立ちます。


オチ解説:なぜ最後は「親不孝」なのか?

ラストで出てくる「親不孝」は、“かごかき”の掛詞(ダブルミーニング)がポイントです。放送ライブラリーの解説でも、オチは「篭書き(=駕篭かき)」の言葉遊びとして説明されています。

抜け雀 オチの掛詞構造図(かごかきの二重の意味)

左は“駕籠かき(職業)”、右は“籠を描かせた(鳥籠の加筆)”の掛詞です。

① 物理の意味:駕籠かき(職業)

「駕籠かき」は人を担いで運ぶ仕事。親をそんな仕事に就かせる(身を落とすような働きをさせる)のは、昔の感覚では“親不孝”の極みです。

② 絵の意味:籠描き(鳥籠を描かせた)

もう一つは“絵”の意味。自分の雀が未完成だったせいで、父にわざわざ鳥籠(籠)を描き足させた。つまり親に「籠を描かせた(かご描き)」=親不孝、という自戒になります。

この二つが「かごかき」で重なった瞬間に、最後の一言がストンと落ちます。

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鳥籠(止まり木)が示すもの:不器用な親子の補完

『抜け雀』の余韻は、言葉遊びだけではありません。雀(息子の才能)に、鳥籠(父の配慮)が足されて初めて“生きる絵”になる、という補完関係が描かれます。

抜け雀 雀と鳥籠の補完関係を示す図解

父は説教せず、静かに「止まり木」を描いて去る。息子はその背中から自分の未熟を知り、追いかける。オチの「親不孝」は、笑わせながらも敬意と反省が詰まった一言です。


まとめ:オチの構造が分かると、一気に名作になる

  • あらすじ:絵の雀が飛び出し宿が繁盛→老人が鳥籠を加筆→絵師が父と気づく
  • オチ:「かごかき」の掛詞(駕籠かき/籠描き)で「親不孝」になる
  • 余韻:雀(才能)に鳥籠(配慮)が足されて完成する“親子の補完”

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三分で深まる落語の世界 編集部

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参考文献

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